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ベートーベン ピアノソナタ32番の色々な演奏


また、難しそうなことを、と言われそう。ただ、最後はテントの話になります。

しかも、この曲のことはブログで2回目だし。


音楽が好き。だけど、あまり色々な方とは趣味が合わないかも。 Arvo Partも好きだし、Meredith Monkも好きだし、カナダのロックバンドRushも好きだし(ニールピアトさんのご冥福を)。


ベートーベンが、すっごく好き。ものすごくクラシックで、ものすごくアバンギャルド。

ただ、その中でもピアノソナタ32番2楽章が好き、とか言っちゃうと、鼻につくとか言われてしまう。

だけど、好き。すっごくクラシックな、美しいテントみたいに好き。


昨日、YouTubeで、連続して3人の演奏を聞きました。

最初に、バックハウス、次にポリーニ、最後にグールド。

バックハウスは、ドイツの人。20世期の巨匠の一人。ナチスに利用もされた。正統派、真面目なドイツ人、という演奏。

マウリッツオ・ポリーニはイタリアの人。20世紀後半を代表する最高のピアニストの一人。非常に艶っぽい演奏をする。

グレン・グールドはカナダの人。ラジオの時代を代表する。異端児。


怖い先生、イケメン、誰もが認める変わり者、という感じかな。


ベートーベンの32番の第二楽章はベートーベンの最後のピアノソナタ。

ピアノという楽器が、最後の大きな進化を遂げた時の作品。ジャスのシンコペーションみたいな箇所もある。


バックハウスの演奏は、「はい、先生すみません」という感じのイメージ通りの謹厳実直、品行方正は演奏。ピアノの先生のところに行っている感じ。うーん、こんなにツマラナイ曲だったっけ。

ポリーニの演奏は、艶っぽい。少しセクシー。まあ、聴ける。

そして、グールド!過剰に早く、物議、反発を呼びまくった第一楽章のスピードから一転しての、遅い始まり。そして、展開部のジャズ !スイング感!

グールドお主、ベートーベンが楽譜に描きまくった演奏指示を全く無視しておるな、と言いたくもなるけど、楽しい、刺激的。今の21世紀の様々な音楽形態が爆発した20世期を知っている我々の耳には、このグールドの演奏こそ、響く。


昔、ピアノを習っていました。それなりに弾けました。ピアノの大先生のところで、グールドが好きといったら、「そんなのは、もっと上手くなってから言いなさい。基礎と基本ができない人がグールドを真似てはいけないし、聴くのも良くないかもしれない」とまで言われたことを覚えています。


バックハウスの演奏は、ベートーベンの意図したもの通りなのかもしれません。

ただ、クラシック=古典って、最早、そのまま弾いてはいけないんだと思う。もっと色々な、その後のものを知ってしまった我々には。

最も、アバンギャルドなものはクラシックである(これ、何度も言っています)。

ただ、何故、そうなるかといえば、クラシック=古典を再解釈するから。


キャンプオンパレードのテントはそう。古典をキャンプオンパレードなりに再解釈しています。

決して、そのままではない。ヨーロッパやアメリカには、中世テント好きなテントメーカーがあります(といっても合計で3−4ぐらいしかない)。そして、中世のコスプレとかしたりする。だけど、それはキャンプオンパレードは関心がないんだよなあ。

一方、古典に立脚しない、今の流行のテントにも全く関心は無い。


クラシックの再解釈。


グールドみたいになれるかな?


3件のコメント

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3 Kommentare


hirokaz0902
24. Mai 2021

「バックハウスの演奏は、ベートーベンの意図したもの通りなのかもしれません。」

仰っていることは理解できますが、その演奏の難しさを少しでいいので理解して頂きたいです。そしてその考察ですが全く違うと思います。まず楽器が違います。バックハウスは彼の時代のピアノの音色からベートーヴェンを想像して弾いたドイツ伝統の流れの音楽です。ポリーニは学生時代によく聴きましたが今は興味はありません。ただそのポリーニがベートーヴェンの使用していたピアノを弾いてワルトシュタインの意味がやっと理解出来たというのは有名な話です。ちなみにポリーニのリサイタル、何度か伺いましたがサントリーホールで音大生の時にステージ上で聴かせて頂きました。グールドはいい演奏は好きですが、あの方の表現しているものは自尊心だと思います。それがいいのか悪いのか、正解はないと思いますが私はくだらないと思うタイプです。グールドの演奏は聴きやすい音楽でしょう。アバンギャルド・クラシック、それは聴き手の自由です。ただ私はベートーヴェンの32番の第2楽章を理解できる人類がどれだけいるのか、ほぼいらっしゃらないと思っています。酔っ払ってたまたまたどり着いたブログに書き込むには失礼なのかもしれませんが、同じく32番の第2楽章、ベートーヴェンが人類に残した中でも至高の作品と思っているものを大切に思っている方だからこそコメントをしてしまいました。

他の演奏家の演奏を50通りは聴いていただきたいです。

この至高の作品は表現の幅がまず広すぎます。聴かれた3名の高名なピアニストから得ることは非常に少ないと思います。

是非、様々な演奏に触れてください。

よろしくお願い致します。


名も無きピアニストより。

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hirokaz0902
30. Mai 2021
Antwort an

ご丁寧な返信ありがとうございます。

酔っ払って勢いで送ってしまったコメントに申し訳ないです。

私はキャンプやテントのことは全くわかりません。ただご丁寧に説明してくださったおかげで歴史や現在の状況、理念など少しは理解出来たと思います。

そしてその説明のために3名のピアニストを例として取り上げるのもいいと思います。

本文を読み返してみました。

「ただ、クラシック=古典って、最早、そのまま弾いてはいけないんだと思う。もっと色々な、その後のものを知ってしまった我々には。」

という一文に私は違和感を感じたのだと思います。

もちろん仰っていることは理解できます。

でも私はそのまま弾くという状態が無いと思っているのです。

楽譜は記号です。

ただ正しいとされる解釈(学んだ方は理解出来るルール)の幅がとてつもなく広い記号です。

まだまだ記号の範疇でそれこそアバンギャルドな演奏ができると思っています。

だからこそグールドのもつアバンギャルドさはとても陳腐に感じてしまうのです。

彼がステージでの活動を終えて録音にシフトし、何度も何度も録音を重ね繋ぎ自身の理想の音楽に近づける。

それは私からしたら音楽と言っていいのか微妙ですらあります。

私の考えと理想ですが、やはりライブで演奏してその瞬間瞬間生まれてくるものこそが音楽であり、そこにアバンギャルドさも加る瞬間があります。

舞台に立つ人間として本番こそが1番の練習であり1番気付きがあります。

グールドが舞台に少しでもいいので立ち続けていたらまた違ったものになっていたかもしれません。

(グールドの人類に与えた功績は大きくそれを否定しているわけではありません。)

「キャンプオンパレードのテントはそう。古典をキャンプオンパレードなりに再解釈しています。」

素晴らしいと思います。

ただやはり音楽と対比した時に私はすんなりと納得は出来なかったということです。


このサイトに出会ったのは、

「ベートーヴェン ピアノソナタ 遅い」

で検索したところ3番目くらいに表示されました。

酔っていて変な検索ですが、32番のゆっくりな演奏を聴きたくて、ジョン・リルの気分ではなくヴァレリー・アファナシエフの名前が思い出せなかったので検索しました笑


丁寧な返信本当にありがとうございました。

現在も仕事の合間に急いで書きましたので乱文お許しください。

失礼いたします。


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